高齢者と音楽療法
音楽療法は様々な場面で使われていますが、対象者の特性を理解したプログラム作りが重要です。
そこでKOKOの会では、高齢の方の心と体のあり様を把握し、「高齢者向け音楽療法」として下記のように考え実践しています。
高齢者と音楽の効用
歌で心が和み、自然に体も動き楽しい気持ちになったりすることはだれにでもあることです。音楽は心と体を元気にする効果があります。
KOKOの会では音楽の力をうまく活用して、高齢者に沿ったプログラム作りをします。
また、特に下記の3つの点に留意しています。
心の健康
年齢を重ねると、少しずつできることは限られてきますが、歌は忘れないものです。
慣れ親しんだ歌を歌うことで心が満たされ(回想法)、時には楽器を演奏したり、あるいは新しい歌に取り組むことで、達成感や充足感を得て、心の健康に役立ちます。
身体の健康
呼吸器・内臓の強化
高齢になると足腰ばかりではなく、体の内部にも影響がでてきます。歌うことは呼吸器、腹筋を使うため、肺の機能や内臓の働きを活発にし、血流の促進につながり有酸素運動になります。
手足の筋力維持
KOKOの会のプログラムでは、自然に楽しく音楽に合わせ手足の運動をしたり、楽器を用いた演奏で、身体機能を維持、向上させる効果があります。
誤嚥予防
口や舌を大きく動かす「パタカラ体操」「あいうべ体操」を音楽で行い、表情筋や声帯を鍛えるなど様々な方法で楽しくおこないます。楽しみながら誤嚥を防ぐ効果があります。
認知症予防
歌いながらの指運動、歌いながらの合奏など多種多様な方法を用いて認知症の予防に役立てます。
2つのことを同時に行うことで認知症予防に効果があります。(デュアルタスク効果)
連帯感
KOKOの会では、合唱・合奏を通して人と連帯する楽しさを再確認してもらうことを、音楽の効用のひとつに考えています。また、音楽を通して地域の方々とつながれる「場」を作ることにも尽力しています。孤立化の防止に効果があります。
その人の歩んできた
「歴史」を理解した選曲
高齢者の音楽療法で重要なことは、一人ひとりの社会的、個人的歴史を良く理解して、その方にふさわしい音楽を提供することです。下記のようなことにも留意して選曲を行います。
- 出身地の民謡やご当地ソング
- 若いころ流行った曲(時には楽しいラテンやジャズなども)、学校で習った唱歌
- 季節に合わせ、四季を感じる歌や曲